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唯「ふー。テレビ見て雑誌読んで…あきるなぁ」 女「平沢さん」 唯「あ、えーと、尾奈さん」 女「無事でしたか。ひどいことしますね、政府の奴ら」 唯「え、政府?」 女「はい。奴らは政府のエージェントなんですよ。国家機密を知った私たちを精神病者に仕立て上げてここに死ぬまで監禁するつもりなのです。 私もふとしたことが切っ掛けでこの日本という国家を揺るがすほどの秘密を知ってしまいそれを誰かに知らせようと最大限の努力をしたところ 彼らの手にかかってこのように監禁されてしまったのです。しかし私はこのような状況に置かれても希望は捨てていませんし断じて捨てるわけ にはいきません。私は精神病者という屈辱的な社会的レッテルを貼られたにも関わらず決して諦めずに彼らと日夜戦っているのです」 唯「……」 女「……」 唯「えっ?」 女「平沢さんがいきなり裸になったのも、職員の中に潜んでいる我々の連絡員へのメッセージだったんでしょう」 唯「えっ、いや違うよ?私は」 女「隠さなくてもいいのです」 唯「いや私はロック」 女「隠すなよお!!」 ダンッ! 唯「っ!」 びくっ 女「はぁっ、はぁ、はぁ…っ」 唯「お…尾奈さん?」 女「……仲間に対しても秘密を守り通す…なるほど、優秀だ」 唯「は、はぁ…」 唯(やだなあ、この人キチガイだ) 女「あなたのような仲間がいて心強く思います…それでは」 唯「さよならー」 ひらひら 唯「……帰りたいなぁ」 紬「みんなでお見舞いにいかない?」 澪「えっ…唯のか?」 紬「ええ!」 律「うーん、唯がいるのって……精神病院だろ?」 梓「律先輩っ!」 律「だ、だってさあ…」 紬「律ちゃんが嫌だと思うのはわからないでもないわ…」 律「だったら…」 紬「じゃあ!そんなに嫌だと思うところにいる唯ちゃんはどうなるの!?」 律「あっ…」 紬「こんな時だから…私たちが支えてあげなきゃ」 律「…そうか……そうだよな!」 澪「ああ。行くか!」 梓「はいっ!」 男「ぶつぶつぶつ」 女「ぶつぶつぶつ」 かがみ「ぶつぶつぶつ」 ハルヒ「ぶつぶつぶつ」 唯「よく見るとキチガイのひとがたくさんいるなあ…」 唯「はぁ。早く帰りたい…」 唯「私、なんでこんなとこにいるんだろう…」 看護婦「平沢さーん、平沢唯さん。面会のかたが見えてるわよ」 唯「えっ、ほんと?」 紬「唯ちゃん!」 梓「先輩!」 澪「唯!」 律「唯っ!」 唯「みんな…みんなぁ!」 紬「唯ちゃん、大丈夫だった?元気にしてた?」 唯「ムギちゃん…もうやだよう、私もうここやだぁ」 ぐすぐす 紬「唯ちゃん……」 唯「うちに帰りたいよぅ、憂が作ったご飯食べたいよぅ」 ぐすぐす 律「唯……」 唯「みんなと一緒に……練習したいよ」 ぐすっ 梓「先輩……」 澪「でも…病気が治るまではやっぱり…」 唯「病気ってなに!?みんなの前で裸になるのがそんなに悪いことなの?」 紬「……唯ちゃん…」 紬「唯ちゃん……私ね」 唯「えっ?」 紬「ほんとは……ボーボーなのよ?」 唯「ムギ…ちゃん」 紬「退院したら見せてあげるから、がんばって…ね?」 唯「ムギちゃん……」 紬「もう絶対手入れしない!伸ばしっぱなしにするわ!だから…っ!」 ぽろぽろぽろ 唯「……うんっ!私、がんばるよ!ムギちゃん…だから、泣かないで!」 澪「わ、私だって実はボーボーだよ!」 律「あたしだって!!」 唯「りっちゃん…澪ちゃん…!」 梓「私もボーボーですから!唯先輩!」 唯「あずにゃん…」 梓「唯先輩…」 唯「…あずにゃんはツルツルじゃなきゃだめー!」 じたばた 梓「ああっ、ごめんなさい!剃ります!わたし剃りますから!!」 律「よかったな、唯」 唯「うん…わたし、みんなと友達になれてよかった!」 ニコッ 澪「キュン!ま、まあ唯はちょっとロックの解釈を間違っただけだからさ。病気ってわけじゃないんだから」 紬「そうよ。ちゃんとしてればすぐに退院できるはずよ」 梓「みんなで待ってますから。唯先輩のこと…」 唯「みんな…みんな…!」 『そうは…いかんなぁ?』 唯「!?」 澪「だれだ?」 精神科医「クックックッ」 唯「先生!?」 律「な、なんでだよ!」 精神科医「政府の秘密を知ったものを…この施設から出すわけにはいかんと言っとるのだ!」 紬「なんですって!?」 バリバリ 梓「わあっ!先生の体がっ!」 澪「ば、ばけものだあ!」 ガクガク 唯「そ、そんな…尾奈さんの話は…本当に!?」 紬「政府に立てつく者を隔離する施設…まさか本当に存在していたなんて…っ!」 怪人「ゲララララァ!平沢唯!お前は一生この施設から出ることはできんのだァ!」 唯「そ、そんな!なんで!なんで私なの!?」 紬「ごめんなさい…」 律「おい早く逃げろ!逃げるんだよぉお!!」 澪「か、鍵がぁ!鍵があかないい!」 ガチャガチャガチャ 梓「夢……これは夢?」 怪人「ゲララララ!誰もここから逃げることはできなぁぁい!!」 澪「ひいぃぃぃぃぃぃいいい!!…はうっ」 ぱたり 紬「…唯ちゃん!」 唯「ムギちゃん!はやく逃げて!」 紬「変身よ」 唯「はい?」 3
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けいおん! 第01話 「廃部!」 第02話 「楽器!」 第03話 「特訓!」 第04話 「合宿!」 第05話 「顧問!」 第06話 「学園祭!」 第07話 「クリスマス!」 第08話 「新歓!」 第09話 「新入部員!」 第10話 「また合宿!」 第11話 「ピンチ!」 第12話 「軽音!」 第13話 「冬の日!」 第14話 「ライブハウス!」 第01話 「廃部!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm6630977 24:30 2659 1788 第02話 「楽器!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm6704159 24 30 3845 1924 第03話 「特訓!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm6769196 24 30 3810 1492 sm6769250 24 29 1698 345 sm6769410 24 30 615 112 第04話 「合宿!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm6836396 24 30 3337 2281 sm6836575 24 29 2499 1056 第05話 「顧問!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm6906903 24 30 4364 2577 sm6906987 24 00 3727 1043 第06話 「学園祭!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm6981313 24 30 4958 2989 sm6981621 24 30 1098 84 第07話 「クリスマス!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7047134 24 30 4428 3363 sm7047427 24 30 1729 726 第08話 「新歓!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7115895 24 30 4768 3076 第09話 「新入部員!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7184405 24 30 3800 3374 第10話 「また合宿!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7250524 24 30 2522 2403 sm7250623 24 30 1515 435 第11話 「ピンチ!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7318127 24 30 3589 2707 第12話 「軽音!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7383718 24 30 4514 3751 第13話 「冬の日!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm7450330 24 30 2910 2083 sm7450497 24 30 909 619 第14話 「ライブハウス!」 動画番号 再生時間 再生数 コメント数 sm9431328 23 42 7,308 1884
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こんにちは、中野梓です。 今回は二期放映間近、ということで番組宣伝のための映像を撮ることになったんですけど。 どういうわけか、唯先輩が私に抱きつくシーンが満場一致で採決されてしまったんです。 「な、なんでそうなるんですか!」 信じられないことにこんなとんでもない決定を前にして、抗議の声を上げたのが私だけという体たらくですよ。 「えー、いーじゃん、あずにゃん~カメラの前でもべたべたしようよ~」 ええい、唯先輩は黙っていてください! 律先輩!部長として何か言うことはないんですか! 「んー、まあいいんじゃね?まさにいつもの私たちって感じだしさ」 それはまあ確かに日々ここで繰り広げられてる光景ではありますけど。 だからといってわざわざそれをピックアップしてしまえばそれこそ四六時中私は唯先輩にハグされてると認識されちゃうじゃないですか。 唯先輩のあだ名がハグ魔人になってもいいんですか。 と言うわけで澪先輩!澪先輩なら! 「私も律に賛成かな。監督からも日常を象徴するシーンをセレクトしろって言われてたし。演奏シーンが一つもないって言うのは問題だけど」 そうですよ!演奏シーンが一個も無いのは問題です!スタンバイしてるとこだけじゃないですか。まあ、雰囲気は出てますけど。 と言うかこの唯先輩のナレーションだと、私たち軽音部じゃなくてティータイム部みたいですよ! そこまでわかっていながら、なんで私と唯先輩のシーンをカットしようという方向に思考が働かないんですか! ムギ先輩は…… 「唯ちゃん、いつもよりずっと派手にハグしちゃっていいわよ。そうね、梓ちゃんを行かせちゃうくらいしちゃっていいわ」 「うん、がんばる!」 ムギ先輩に聞こうと思った私が間違いでした。と言うかなんですか、その吹き込みは。 唯先輩も変に張り切らないでください。私をどこに行かせようって言うんですか! 「ま、そういうわけで賛成4反対1で可決ってことで行くか」 「そうだな」 「そうね」 「うん!」 ちょ、何で取りまとめに入ってるんですか!何でこういうときだけ部長っぽく振舞うんですか律先輩は! 数の暴力ですよ!訴えますよ!どこに訴えればいいのかさっぱりわかりませんけど! 「あずにゃーん!えへへ、またカメラの前でハグできるよ~」 ああもう唯先輩、これからそのハグシーンを撮るって言うのに何で抱きついてくるんですか! 「練習だよ、練習!」 「うそです、絶対抱きつきたいからだけですよね」 「へへ~、あずにゃん可愛いからね~いい子いい子」 更になでなでまで……反則ですよ、それ。気持ちいいから許しますけど。 やっぱり唯先輩にハグされると、ぽかぽかして気持ちいいですから。 仕方ないですね、もう少しこのままでいさせてあげます。 「おーい、いちゃいちゃしてないでそろそろ準備しろよ?」 「いつまで抱き合ってるつもりなんだ、二人とも」 はっ、もうこんな時間じゃないですか。と言うかいきなり撮影ですか、リハとかないんですか! 「いや、お前らが恍惚としている間に終わったし」 「よかったわよ、二人とも」 いや、声かけてくださいよ!というか何がよかったんですか、ムギ先輩! 「ほら、いいから早く準備しろよ。ナレーションは後で撮るから、唯はいつもどおりに梓に抱きついてくれればいい。梓もいつもどおりに唯に抱きつかれる。いいな?」 いや、よくありません!よくありませんけど、もう抗議してる時間は無いですね……もう。 渋々ですからね、喜んで抱き付かれるシーンを受け入れたわけじゃないですからね。 「あずにゃん、頑張ろうね!」 まあ、頑張りますけど。そんな素敵な笑顔向けられたら、そうするしかないですけど。 「じゃあ、準備OKってことで。すみません、お願いします!」 律先輩がスタッフに合図を送って、いよいよ撮影開始。 それぞれ指定された場所について、カウントを聞く。 まあ、シーン的にはハグ真っ最中から入るわけだから、唯先輩といえば今か今かととびっきりの笑顔で私の目の前でそわそわわくわくしてるんですけど。 この人絶対今から撮影って意識無いよ……ハグできて嬉しいなーくらいしかないんだろうなぁ…… まあ、そのシーンを今から電波に乗せて全国に発信しようと言う私は憂鬱でしかないわけですが。 ――別に、唯先輩からのハグが嫌いってわけじゃないんですけどね。 って、何言ってるんだろ。ああもう、今のは無しです。唯先輩に聞かれたら、また調子に乗るに決まってますから。 はあ、割り切らないとですね。これは仕事ですし。私情を挟むのはよくないです。 まあ、私の相方はそんなの欠片も気にしてないよなんて、嬉しそうな瞳で私を見つめているわけですが。 そうこうしているうちに、カウントは0に近付いていきます。これが0になってしまえば、カメラは回りだして、その前で先輩はぎゅっと私に抱きつく段取りです。 確かに――それ自体は律先輩や澪先輩の言うとおり、いつもの私たちのシーンのはずなんですけど。 くるりと見渡せば、いつもの音楽準備室は門外漢の私にはさっぱりわからない機材に囲まれて、いつもの私たちの光景じゃないです。 先輩たちも――唯先輩を除いて――どこか緊張した面持ちだし。やっぱりどこかいつもとは違います。 やはり、なんかダメだと思います。別に、そう、さっき言ったとおり唯先輩にハグされるのが嫌ってわけじゃなくて。 ただそれを番組宣伝の道具として使われるのが嫌って言うか――本編のシーンとしてなら、流れとしてですから、別にかまわないんですけど。 もっと純粋に、ぎゅうっと抱きしめられるその感触を、ぬくもりを、匂いを味わうもの、味わいあうものだと思うんです。 私にとって唯先輩からのハグは、そんな特別なものであって、いつの間にかそうなってて、だからこういうのは――なんか嫌です。 「ゆいせんぱ……」 やっぱり止めてもらおう、そう思って唯先輩に話しかけようと顔を向けると―― 「へ?」 既に唯先輩の顔は、私の鼻先まで近付いていました。 きょとんとその目が丸くなるのが見える。おそらくそれは先輩にとっても不慮の事態で、だから前進方向のベクトルを止めようと踏ん張ってくれたけど。 思い切りハグしようとしていた先輩の勢いはそれくらいでは止まらなくて、ただちょっと緩やかになっただけ。 それで、唯先輩に真っ直ぐ顔を向けた私と、はじめからこちらへ真っ直ぐ顔を向けていた唯先輩は、ふわりと本当にやわらかくぶつかることになりました。 それは本当にやわらかくて、暖かくて、私が想像していたよりもずっと甘くて――とろけてしまいそうです。いや、実際にこれは、とろけてるんでしょうね。 半拍遅れて、予定通り動かされていた先輩の手が私の背中に回されたときに、ようやく私の意識は戻ってくれました。 って、何してるんですか、唯先輩! 声を出そうにも、唇が塞がれているから声になりません。そう、私の唇は文字通りふさがれてます。その、唯先輩の唇で。 逆に言えば、私の唇が唯先輩の唇を塞いでいるともいえるんですけど。 私の記憶にいまだかつて無い距離に見える唯先輩の瞳は吸い込まれそうなほどに綺麗で――じゃなくて、びっくりの文字に埋め尽くされていて。 おそらくは何か言おうともごもごと口を動かして入るんですけど、私と同様に声にならないでいるみたいです。 離れればいい、なんてそんな当たり前のことを思いつかないほどに。そりゃそうですよ、だって。ただハグするだけのはずだったのに。 私と先輩はその―― キスしちゃって――るんです、から。 って……カメラ、カメラ回ってますよね? いやホント、ボーっとしている場合じゃないです。唯先輩、ほらはなれましょう! え?な、なんでこれはこれでいいじゃん、的な眼差しに変わってるんですか。口がふさがってるからって、瞳で会話しないでください! ダメですよ!ハグだけならまだしも……先輩とのファーストキスがこんなところでなんて……今なら事故です!ノーカンにできますから! 「んー……んむっ」 なんで更にディープにするんで……すかっ! うぅ、ダメですって、ば。そんなにされると、もう何も考えられなくなるじゃないですか…… ギブ、ギブです、唯先輩。もう……や、そんなに強く抱きしめられると……アウト、ですよ。 本当にダメになっちゃいます。 押しのければいいはずなのに、気づけば唯先輩の背中に手を回してしまってるくらいに。 離れてください、じゃなくて、もっとしてくださいって、そう言ってしまいたくなってるくらいに。 ああでもきっと、先輩の瞳に移る私の瞳は、きっとそう先輩に伝えちゃってるんだろうな。 ――もう。 ええ、いいですよ、唯先輩。 どこにでも連れて行っちゃってください。 なんだかんだ言いましたけど、やっぱり。先輩こうされるのは嫌じゃないですし。カメラの前、って言うのはやっぱり気にはなりますけど。 だけどそれでもいいって思えるくらいに、やはり唯先輩のこと、好きですから。 「もちろん、撮り直しですよね?」 「え?」 え?じゃありませんよ!なんでそこで何いってるのこの子、なんて目で見られないといけないんですか! 律先輩や澪先輩からも何か、って何で同じ目してるんですか!……あ、ムギ先輩にははじめから期待してないからいいです。 まさかこれも私たちの日常、なんて言い出すつもりじゃないでしょうね。 言っときますけど、いくらなんでも音楽室でこんなことに及んだ覚えは無いですよ! そりゃ、先輩の部屋とか、プライベートなら結構いちゃいちゃしたりはしてましたけど……でも、キスは初めてでしたし! ちょ、はいはいごちそうさま、ってどこに行くんですか! 次の撮影って……いや、だからこれのリテイクを……ああもう、聞いてくださいよ! (終わり) 十割中、九割が見るな。 -- (あずにゃんラブ) 2013-01-20 16 24 47 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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第六章 ライブ!! ついにライブ当日。 午後5時半、ライブハウスが開場となった。 新人バンドの常で、「放課後ティータイム」は一番手での出演だ。 客が入り始めた。 最前列には和や憂、さわ子の姿が見える。 唯「澪ちゃん、学校でのライブと違って緊張するねぇ」 唯はライブハウスの客の入りを見渡しながら澪に笑いかける。 澪「あ、ああ、そうだな・・・。」 しかし、緊張でガタガタ震えている澪から見ると、どう見ても緊張しているようには見えない唯だった。 律「うおぅ!気合い入るなー。いっちょ、かましてやろうぜ!」 しかし、律や唯の物怖じしない態度は澪にとっては救いだった。 (うん、大丈夫、大丈夫。始まってしまえばいつもと同じだ。私は、私のやってきたことを全部出せればいいんだ。) リハーサルでの照明効果はメンバーは初体験だった。 色とりどりの光線の演出はみんなの心を高揚させた。 ライブハウスのステージでの演奏は、やはり学校の講堂のそれとは違う。 アンプやスピーカーから鳴る音の迫力も桁違いだった。 梓「私も緊張してきました。予想以上にお客さんが多いですね」 律「他のバンドの客もいるからな。」 澪「100人以上は軽くいるな。」 紬「こんなところでみんなと一緒に演奏出来るなんて・・・。」 律「お!BGMが止んだぞ。みんな出番だよ!頑張ろうぜ!」 全員「おー!」 メンバーはステージ上でそれぞれの位置につく。 律は中央奥のドラムセットに座り、ムギは左奥のキーボードの前に。 澪は向かって左、唯はステージ中央前に。 ステージ右には梓。 澪はベースの感触を確かめながら精神を集中した。 ここしばらくは、自分でも頑張ったと思う。 お客さんにはもちろんだけど、他のメンバーにも私の演奏を聴いてもらうんだ。 唯「こんばんわぁ!放課後ティータイムです!!私たち、実はライブハウスで演奏するの、初めてなんですよぉ。」 唯のMCでライブは幕を開けた。 (やっぱり唯はすごいな。どうしてあんな沢山の人前で普通に喋れるんだ。) 澪は自分には出来ないことを平然とやってのける唯に今更ながら驚いた。 それと同時に頼もしさも感じる。 唯「えへへ・・・って言うか、私がこんな所でギターを弾いて歌うことになるなんて夢にも思っていませんでした。あ、そうそう、実はですねぇ、私、もともと軽音楽ってのは、軽い・・・・」 ドドン! ドラムの音に振り返る唯。 律「いつまで喋っとるんだ!」 このままでは、軽音部への入部のきっかけから現在の歴史までを話しかねない唯を律が急かす。 唯「えへへ。急かされちゃった。では、さっそく一曲目を聞いて下さい!私の恋はホッチキス!!」 律「ワン、ツー、ワン、ツー、スリー、フォーッ!」 唯はペロッと一度唇を舐めてからピックを弦に振り下ろした。 唯の楽しくてキュートで、そして奇想天外なオリジナリティ溢れるギターフレーズが虚空へ向かって放たれる。 照明を受けて虹色に輝く唯のレスポール。 その音色はくるくると表情を変えてライブハウスの空気を包み込んでいく。 ムギのキーボードが音曲に更に彩りを添える。 梓の小気味よいリズムギターが程よくサウンドを締める。 律のドラムも走ることなく、しっかりとみんなのメロディを支える。 澪は唯の新しいギターフレーズにあわせて、ベースラインを変えた。 考えに考え抜いたベースラインだった。 以前より元気のよいベースが唯のギターリフに噛みついたり、じゃれあうようにユニゾンしたり、遊び心たっぷりに軽快に鳴る、走る。 素晴らしい演奏! メンバー同志、みんなが笑顔で目配せする。 「私たち、すごいじゃん!!」 そしてサビでの唯と澪のハモり。 唯のやわらかな歌声に澪の硬質の低音がからみあう。 今までにないほど調和する二人の声。 ジャーン!! 一曲目が終わった。 ワッと客が湧く。鳴り止まない拍手。 「澪ちゃん!ベースすごいよ!!」 唯が驚いた顔で振り向いた。 梓「私も演奏しながら思わずベースに聞きいっちゃいました!」 ムギ「演奏することがこんなに気持ち良いなんて・・・!」 律「よっし!この調子で突っ走るぞ!」 放課後ティータイムで呼んだ客も他のバンド目当ての客の方も、この新人バンドには驚いたようだ。 メンバーは全員タイプの違う美少女で、演奏の実力は確かなものだ。 しかも聞いたことが無いようなオリジナリティーに溢れている。 そこにいた誰もが 「このバンドは将来、有名になる!」 と予感した。 観客の熱気は高まる一方で、曲を重ねるごとにライブハウスは盛り上がっていった。 そして曲順は澪のボーカル曲である「ふわふわ時間」。 澪「こ、今度はえーっと私が歌います。」 ピー!!ピー!! 男の客から口笛が飛んだ。 「可愛い!!」 「彼氏いんのー?」 只でさえ病的なほど恥ずかしがり屋の澪である。 澪「・・・・。あ・・・。」 男達のヤジで一気に不安定になってしまった。 そういえば「ふわふわ時間」は、ステージで転倒して公衆の面前で下着を晒してしまったという苦い思い出のある曲であった。 澪「あ、あの、あの・・・」 澪はまっ赤になって完全に舞い上がってしまっている。 (そういえば演奏に集中していたから気付かなかったけど、私、こんな所で演奏するの初めてなんだ~。お客さんもうちの生徒じゃないし・・・) そんな澪の様子を見て会場がざわつき盛り上がっている。 ドドドドン、ギュイ~ンッ 律と唯が音を出して会場を静める。 唯「みんなぁ!萌えるのも分かるけど、って言うか、私も澪ちゃんにはいつも萌えてるんだぁ。だけど、静かに聞いてあげて!曲は『ふわふわ時間』だよ!」 律のドラムと唯のリフで演奏が始まった。 澪は緊張のあまりそこから先をあまり覚えていない。 律と唯のフォローでなんとか澪は歌うことが出来たようだ。 途中、男性客からの声援がすごかったが。 やはり澪のルックスは人目を惹くらしい。 それからまた唯がメインボーカルとなって歌ったラストの曲では会場の手拍子が鳴り止まず、アンコールもまで入った。 「放課後ティータイム」はアンコールには 曲を用意していなかったので、「翼を下さい」のコピーを演奏した。 唯「大成功だったねっ!!りっちゃんっ!!」 楽屋で大はしゃぎで律と抱き合う唯。 律「私たちすごくね??」 二人は抱き合ったままぴょんぴょん飛び跳ねる。 紬「はぁ~・・・」 胸に手を当て目を閉じる紬。 唯「???ムギちゃんどうしたの?」 紬「ごめんなさい、私、ちょっと余韻に浸ってしまって」 梓「それにしても澪先輩のベース進化し過ぎですよ!」 律「いやぁ、さすが澪だな。ここ一番はやってくれるよなぁ!」 梓「唯先輩のギターと澪先輩のベースがすんごくあってるんですよ!本当に素 敵!!」 梓は頬を紅潮させ感動を訴える。 紬「お二人のボーカルも素晴らしいわ!」 唯「澪ちゃん!!やっぱ澪ちゃんは澪ちゃんだねぇ~。さすが澪ちゃんだねぇ~。」 唯が澪の手をとり握手する。 澪「そ、そんなに騒ぐことでもないだろっ?」 唯の握手に手をぶんぶん振り回わされながら、澪は顔を赤らめ、視線をそむける。 唯のまっすぐの視線はどうも苦手だ。 近頃は、唯への友情や好意と嫉妬や羨望がどうにも消化出来ない。 でも、なんとかまた唯と対等になることが出来たんだ。 自分の努力が実を結んだことに対して澪は満足と安堵を覚えていた。 和「すごかったよ!みんな!ほら!これ差し入れ!」 和、憂、さわ子が楽屋に入ってきた。 憂「おねぇちゃん!!びっくりした!ほんとにかっこ良かったよ!澪さんも!みんなみんなかっこ良かった!」 いつもは控えめな憂も珍しくテンションが高い。 演奏の素晴らしさが伝わったのだろう。 さわ子「あんたらいつのまにこんな凄いバンドになってたの?まったく気付かなかったわ!」 唯「さわちゃん先生ぇ~!」 さわ子「特に唯ちゃん!あんた何?演奏聞いてびっくりしちゃったわ!」 唯「ふふふ。さわちゃん先生。人は常に成長するものなのですよ」 憂「お姉ちゃん、頑張ってたものねぇ。」 憂がうっとりした表情で唯を見る。 さわ子「澪ちゃんも上手くなったわね。澪ちゃんは完成されていた感があったから、あれ以上上手くなるなんて思わなかったわ。」 澪「!!」 さわ子はたまに遠慮なくズバッと真実を言うときがある。 (そ、そうかも知れない・・・。唯のギターの成長がなければ、私は上手くなれなかったかも知れない・・・。) 自分がいつのまにか唯に引っぱられていたなんて・・・。 みんながわいわい盛り上がる中、澪は愕然としていた。 私はみんなをまとめてきた・・・。 お尻をたたいて練習させたり、時にはしかったりして。 唯にはギターも教えてきた。 でも、今、本当にバンドをひっぱっているのは唯だ。 唯はサウンドでバンドのリーダーシップをとっている。 いままであんなに遊びほうけていていたのに。 私がもっと練習しろって言ってもなかなか言うことを聞かなかったのに。 それが・・・、少し前に唯が本気宣言をしてからあっという間に「放課後ティータイム」は唯を中心としたバンドになってしまった。 勉強も、楽器も唯に負けた。 そして、バンドのリーダー的な立場まで唯に変わってしまうのだろうか。 第七章 澪と唯 ここで澪と唯のことを少し考えてみよう。 澪は常識的な人間だ。 何事を判断するにも常識という物差しを利用する。 常識から外れたことはしてはならないし、それは恥ずかしいことだ。 そして、ときには自分の常識を人にも押し付けてしまう。 まだ自分の常識が崩れていくのは恐怖であり不快なことだ。 これは順応力がさほど高くないということである。 新しい事態が起これば、澪は頭で対処方法を考える。 そして事態を理解し、把握してやっと安心出来るのだ。 この場合、リーダー的な立場に固執しているのではなく、昨日までの常識が崩れていくのが怖くて、不快なのだ。 そして原因であるはずの唯という人間がさっぱり分からない。 今までのように、唯をたしなめ、世話を焼いて、アドバイスをして・・・ そんな立場ならストレスもそうは感じなかっただろうが、 今や唯は勉強でも楽器でも澪を上回り、ひょっとしたら軽音部での立場さえも奪われるかも知れないという、いわば澪よりも出来た人間だった。 そんな唯にこれから々接すればいいのだろう? 澪は途方に暮れた。 一方、唯。 唯に言わせれば 「そんなの今まで通り、澪ちゃんの思い通りにすればいいんだよ」 こう言うだろう。 唯の行動基準は自分の気持ちだけだ。 したいことをしたいようにする。 したくないことはしない。 人の気持ちもあまり考えない。 興味のあることを目の前にすると人の話しは聞かなくなるし、唯の抱擁から逃げ惑う?梓にはそれでも、抱きつくし、あるときは、散々世話になっているはずの澪を、ギターのメンテナンスと引き換えにさわ子に売り飛ばそうとした。 そのときは澪は梓に助けられたのだが。 だから唯は何ごとにも極端な結果が生まれる。 興味のあるものと無いもの。 やる気のあるときと無いとき。 唯は同一人物かと思うほど結果に差が出る。 唯は思い通りに生きている。 それなのに唯は誰からも愛されている。 唯は澪がコンプレックスを抱いて当然の性格だったのだ。 ただ、今までは澪の方が唯よりも大人の立場で接することが出来ていたのでそれが表面化することがなかっただけなのだ。 更に続けると、別に澪が自分の中に持っている「常識」が澪自身の性格というわけではない。 心と常識は違う。 常識的な行動が澪を大人にしている面もあるが、常識という皮を一枚剥ぎ取ると、逆に軽音部で一番子供なのは澪かも知れない。 人はときには心を常識や理性で抑え、ときには押さえきれず心のままに動くものだ。 澪はすぐに泣く。 よく恥ずかしがる。 ときにいっぱいいっぱいになってしまって、 「やだ!やだ!」 と、まるで子供みたいにだだをこねるのも澪だ。 母親のことをママと呼んでいるのも澪だけだ。 しかしほけーっとしている唯は決していっぱいいっぱいにはならないたくましさを持っている。 「常識という判断基準があってこそしっかり出来る澪」 「心のままに行動し、順応出来る野生児の唯」 という見方が出来る。 その澪が常識的に比べられる部分、勉強も、楽器の演奏も唯に負けた。 そして、バンドのリーダー的な立場まで唯に奪われるかも知れない このケースの澪の不安や不快さを理解出来るだろう。 5
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1 紬としずか ※けいおんの木下しずかちゃんの事です。 信代「日本一のクラス!」 1 信代和 ※けいおんの中島信代の事です。 2010/10/24 http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1287930311/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る 信代×和はねぇ 最後に和が信代にさらりと告白するシーンもどこをどう解釈していいやら。 内容は感動も少し入っていいにはいいんだけど、想像の余地が難しいですな。 しずか×ムギは良かったです。 -- (名無しさん) 2014-04-23 02 12 23 しずか可愛いなぁw この二人は席近いから妄想膨らむわw -- (名無しさん) 2012-10-09 20 06 12 ムギしずかは良いとして、信代和というのは… 和をモブと組ませるなら姫子とだろうな。 -- (名無しさん) 2012-07-01 22 41 29 のぶよって単語見るだけで吹き出すようになった...死にたい -- (涙) 2011-12-13 13 24 16 最近 信代が出るだけで笑ってしまう… すまん信代 -- (匿名希望) 2011-12-04 22 30 41 しずかにのぶよというとどうしてもドラえもんを思い出してしまう -- (名無しさん) 2011-07-07 16 53 31 しずかかわいいな。 信代の方も素直によかった。 だが、モブは姫子、いちご、エリ、アカネ、しずか、信代以外は名前と顔が一致しない。 -- (名無しさん) 2011-05-13 14 30 32 信代アネキ…… -- (名無しさん) 2011-05-13 10 53 30 しずか可愛い -- (名無しさん) 2011-04-10 04 30 10 信代和とかキングオブ誰得だろ… まあ良かったけど -- (名無しさん) 2010-11-17 01 25 11
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ー梓の教室ー 教室に入ると眉毛の太い人が私の汗を吸った体操服を口に含んでいた。 梓「なっ、えっ、あっ!?」 紬「蝶が花の蜜を吸ってたらいけない?」 梓「ちょ、えっ、な、なにが!?」 こ、こここの人、昨日の、軽音部の、キーボードの、パンティ狩りの人だ!!!? 紬「ところでここに美味しい高級バナナケーキがあるけどコイツをどう思う?」 梓「すごく食べたいです」 だって私、バナナもケーキも大好きだもん。 紬「もし、あなたが軽音部に入るなら毎日、こんなケーキが食べられるけど、どうする?」 梓「あっ、じゃあ軽音部に入部します」 こうして私は軽音部に正式に入部した。 ごめんね、純。 いや、こういう時は謝っちゃいけないんだっけ。 梓「ありがとうね、純!」 紬「だ、誰と話しているのかしらぁ」 やむをえない事情で軽音部に入らざるをえなかった私は太眉毛の人についていくしかなかった。 はぁ… バナナケーキいつ食べれるんだろう… バナナケーキの事で頭がいっぱいのままフラフラと歩き続けて階段をのぼり、気が付けば音楽準備室の前にいた。 どうやらここが終着点らしい。 梓「え、バナナケーキと音楽準備室となんの関係があるんですか?」 紬「ここでバナナケーキを食べるのよ」 梓「そっか!」 私は嬉しくてバク宙した。 紬「ふふっ。なぜ突然、宙返りを?」 梓「はいっ!」 紬「ん?」 梓「え?」 紬「あのね、私はなぜ突然、宙返りをしたか尋ねたの」 梓「一か八かやってみたまでですよ」 紬「こんなおかしいヤツは初めて見たわ」 お前こそ私の体操服をチュウチュウ吸ってた変質者のくせに!と反論しようと思ったけど、バナナケーキをいただくまでは反抗的な態度はとるべきじゃない。 梓「ニャオーン」 紬「あっ、ねこ〜♪」 私は屈辱に耐えながら可愛がられた。 ー音楽準備室ー ガチャ 紬「ただいま戻りましたぁ〜♪」 太眉毛の人に続いて音楽準備室の中へ足を踏み入れると バッ とカチューシャの人が走って私に詰めよってきた。 律「こ、こいつは?食べていい?」ハッハッ 紬「食べちゃだめ。アッチへ行きなさい」 律「ほっ、ふっ」 カチューシャ女は窓から落ちていった。 梓「ああいうの、もののけ姫で見たことあります」 紬「!?」 紬「あなた、りっちゃんの事が見えるの!?」 梓「えっ、りっちゃんって今のカチューシャの人のことですか?普通に見えますけど…」 紬「そりゃ見えるのが普通よ、馬鹿が」 へ?なんで今、私、馬鹿にされたの!? 梓「将来、年収1000万になってお前を見返してやるです!」 紬「1000万ドルなら見直すけど」 梓「無理!」 こしゃくな眉毛ですぅ。 私はツインテールをヌンチャクみたいにブンブン振り回して憤りをあらわにした。 紬「あらあら、きちがい」 澪「ムギ、そのコどうしたんだ?お前の新しいポケモンなのか?」 私が壊れた扇風機みたいに暴れまわっていると長い黒髪の綺麗な超絶美少女JKがキョトンとした顔で話しかけてきて私は絶頂に達した。 紬「そんなところよ」 梓「どんなところですか!?そもそも今どきはポケモンより妖怪ウォッチですよ!」 澪「ああ、最近見かけるなぁ、妖怪ウォッチ」 梓「やった!」 私は美少女の同意を得られたので踊り出した。 澪「なんでこのコ、急に踊り出したんだ?」 紬「呪われているからよ」 澪「呪い!?うわあぁあっ!!怖いいい!!!」 ごちーん!!と私は唐突に右フックで殴られた… けど、アレ? 全然、痛くない。 梓「今、なにかしましたか?」 澪「わあっ!?効かない!?」 ごちーん、ごちーん、とゲンコツを振る舞われるが全然痛くない。 紬「澪ちゃん、背は高いけど子犬ほどの筋力しかないから〜♪」 梓「私は一生懸命抵抗してるのに成す術がない美少女の表情でビチョビチョになった」 澪「な、なにがビチョビチョになったんだ」 梓「いいからもっと殴ってください!」 澪「キャアッ!?変態!」 バコーン!と左ストレートで首から上が吹っ飛ばされ私は悪い意味で失神した。 紬「澪ちゃん、左利きだから左の攻撃力はハンパじゃないわよ」 薄れゆく意識の中、太眉毛の人もよく見たら美少女だな…って思っ…おも ー15分後ー 梓「はっ」 気がつくと気がついた私は目が覚めた。 梓「朝はやっぱりパンティだね」 律「こいつ、起きたまま夢でも見てんのか」 澪「夢だからって許される内容ではないが」 梓「パンと紅茶でパンティってことですよ、エッチだなあ」 唯「それでこのコ、結局どういうアレなの?」 紬「新入生の教室で使用済み体操服を見かけたから汗を味わっていたら目撃されたから口止めにバナナケーキで軽音部の入部希望者よ」 澪「ほとんどお前が変態だって情報しか伝達されていないが本当にそれでいいのか?」 紬「望むところよ」 梓「あっ、それでバナナケーキはいついただけるんですか!?」 紬「はい」コト 梓「はぁ〜♪」 私の前に美味しそうなバナナケーキが高そうなお皿に乗せられ、紅茶とセットでセットされた。 梓「早く食べたいです!」 紬「どうぞ♪」 梓「はぐっ、もぐっ、もぐらより美味しいよぉ〜♪」 律「比較対象がおかしい」 紬「そういうワケで今日はみんなのケーキが一個たりません」 唯「ムギちゃんいつも食べてるんだからムギちゃんが一番いらない子だよね」 紬「そんなのイヤ」 律「アタシは育ち盛りだから絶対にケーキいただくぜ」 澪「全員お前と同い年だよ」 律「でも澪はオッパイが充分に育ってるからもういいだろ」 律「その点、見ろよ。アタシのオッパイ、絶壁だろ?」 律「殺すぞ!?」 澪「悲しい生き物だなお前は」 唯「ぺっ」 びちゃ 律「あっ、唯!!お前なにケーキに唾吐いてんだ!?」 唯「私のだよ」 紬「でも私、むしろ唯ちゃんの唾吐きケーキが食べたいわ」 澪「牙突零式!!」 澪「ヲボエぇッ」 びちゃびちゃっ いきなり黒髪美少女が上半身のバネだけでゲロを吐いてケーキ全部が澪ゲロまみれになった。 私、バナナケーキを速攻で食べきって本当に幸せでした。 紬「伝説の牙突ゲロ式が見られるとは思わなかったわ」 澪「そういうワケでケーキは全部、私のものだな」 唯「だまれ!!」 律「正直、大好きな澪のゲロなら喰える」 澪「えっ¥¥¥」 紬「サイヤ人は戦闘民族だっ!!!なめるなよぉっ!!!!!」 四人は汚物まみれのケーキをもう手づかみでムシャムシャ食べ始めた。 耐えきれなくなってスレを閉じる人もいるだろうが、この世界は残酷だから仕方ないってミカサ・アッカーマンも言ってたから仕方ないよ。 梓「ここには私以外、変質者しかいないんですか」 唯律澪紬「お前が言うなッッッ!!!」 梓「えぇ〜…」 私は納得いかなかった。 ー7分後ー 律「ケーキも食べたし帰るか」 梓「お、おいおい!」 唯「どうしたのかな?」 梓「今日まだ軽音部らしいこと一つもしてませんよ」 律「え、軽音部らしいことしたいの?」 梓「そりゃそうですよ!私、新入生部活紹介の時のみなさんの演奏に憧れて入部したんですから!」 紬「バナナケーキに釣られたんじゃなかったのかしら」 梓「そうでした」 ガチャ さわ子「ケーキ!!」 部室にモデルさんみたいにキレイな美人教師が入ってきた。 さわ子「私のケーキは!?」 唯「ゲロしか残ってないよ」 さわ子「それ、ケーキ要素ゼロだし!!!」 さすが大人、いい事を言うなぁ。 ー3分後ー さわ子「そういえばその子、ひょっとしたら新入部員?」 梓「はい!」 澪「名前はなんて言うんだ?」 さわ子「まだ聞いてなかったんだ」 律「ケーキでそれどころじゃなかったんだよ」 私の存在はケーキ以下ですか。 さわ子「じゃあ仕方ないわね」 仕方なくありません。 紬「いいから名前は?」 梓「中野梓と言います」 澪「というかノリで入部する流れになってるけど、本当に大丈夫?」 梓「あっ。私、元々、軽音部に興味あったんでそれはそれで」 梓「ギターだって弾けるんですよ!」 唯「私よりうまいのかなぁ〜」 梓「はい!」 唯「いきなり髪の毛全部抜くかも知れないから気をつけてね」 梓「!?」 律「しかしギター経験者とは頼もしいな」 澪「よろしくな、梓」 梓「そ、それよりアイツになんとか言ってやってください」 澪「唯、お前、生きてる価値あるのか?」 唯「うぇ?」 梓「そこまで言わなくていいですよ!?」 澪「わがままなやつだ」 ー1分後ー 梓「まあ、いいや。それで、みなさんのお名前はなんていうのですか」 律「おっ、そうだな。じゃあ自己紹介するか」 律「アタシは部長の田井中律。ドラム担当さ」 梓「き、昨日、ステージの上で脱糞してませんでしたか?」 律「人間、生きてりゃウンコくらいするだろうさ」 梓「ステージの上では普通しませんよ」 律「んんん!」 梓「ど、どうしました」 唯「私は天災ギタリスト平沢唯だよ」 梓「待って、田井中先輩はどうしちゃったんですか」 唯「ギター担当です!」 梓「もういいや。そりゃカスタネット担当のギタリストがいたら悲しいですけど」 ん、平沢……? 梓「もしかしてですけど、平沢憂って妹がいたりしませんか?」 唯「そりゃ人間、生きていれば妹くらいいるよ」 梓「そんな世の中になればいいんですけど」 唯「もしかして憂のお知り合いさん?」 梓「はい!」 唯「憂、私のこと褒めてなかった?」 梓「ぶた野郎って言ってました」 唯「ぐすっ」 なんか泣き出したので、みんなで平沢先輩の頭をなでて優しく慰めました。 梓「大丈夫ですよ先輩。ブタ野郎って、憂はきっといい意味で言ったですよ」 唯「いい意味?」グスッ 律「そうだぞ〜」 澪「ほら、くまのプーさんにも可愛い子ブタちゃんがいたじゃないか」 唯「うん…」 紬「ね?唯ちゃんもあのブタさんみたいに可愛いって、憂ちゃんは言いたかったのよ、たぶん」 唯「そっか」エヘヘ〜 澪「ふふっ」 唯「ところでくまのプーさんの子ブタちゃん、お名前はなんていうの?」 紬「あ?」 澪「さあ?」 律「汚ならしいブタの名前なんか知るわけないだろ」 唯「ワアアァアアァ!!?」 唯「やっぱりブタなんか愛されてないんだよ!!うそつき!!」 澪「そ、そんなことないってば」 唯「黙れ!!ブタ野郎!!!」 澪「なんだと!?お前なんか生まれて来なきゃよかったんだ!!」 ガシャアアァン 梓「ひどすぎる」 さわ子「でも私、トンカツは好きよ」 唯「あっ、私も!」 先輩の機嫌は治った!テッテレー♪ なんて馬鹿なんだろう。 梓「さて、そちらの美少女はなんていうんですか?」 さわ子「私は山中さわ子。若く見えるだろうけど音楽の先生で軽音部の顧問なの」 梓「あなたはどう見たって少女じゃないです」 さわ子「激おこ!」 痛々しくギャル語を使って頬を膨らませる眼鏡の残念美人を頭の中で私は手早く凌辱した。 澪「美少女かどうか知らないが私は秋山澪。ベース担当の超絶美少女だ」 梓「確かに」 梓「なぜ、昨日ステージの上でパンティをかぶっていたですか?」 澪「私は怖がりでステージの上で歌うなんて緊張しちゃうから、先手必勝、観客に先に恐怖を与えておこうと思ってパンティをかぶったんだ」 梓「頭いいなあ」 私はこの残念美少女も頭の中で手早く凌辱の限りをつくした。 紬「琴吹紬です。担当はキーボードよ♪」 梓「なぜそんなに眉毛が太いんですか」 紬「体にいいからよ」 澪「健康法だったのか その眉毛!?」 これで謎はすべてとけました! だから今日はもう帰ろ。 15
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唯「ねえ、純ちゃん」 純「なんですか?」 唯「私とあずにゃんって付き合ってるんだよね」 純「わざわざ私を呼び出したのは惚気話をするためですかそうですか……帰っていいですか?」 唯「もー真面目な話なんだよ!」 純「ただでさえ梓から惚気られてるのに、その相手からわざわざ呼び出されてまで惚気られる私の精神的苦痛も比較的真面目な話なんですけどね」 唯「難しい単語を使ってもダメだよ!ちゃんと聞く!」 純「はあ、まあ聞きますけど……というか難しい単語なんて使ったかな」カンジガオオイトダメナノカ 唯「純ちゃんって、メールに絵文字使うよね」 純「はあ……まあ人並みには。象形文字か!というレベルには使いませんけど」 唯「仲のいい相手にメール送るときは使うよね?」 純「そうですねー……逆に、目上の人にはあまり使わないようにしますけど」 唯「純ちゃんって、そういうところ結構真面目だっけ……でも私へのメールには結構使ってない?」 純「それは唯先輩だからですね」 唯「それっていい意味かな、悪い意味かな?」ムム 純「その辺りは秘密ということで……まあ、そろそろ本題に行ってください」ダッセンデス 唯「あ、そだね。えっとね、あずにゃんからのメールなんだけど……純ちゃんってあずにゃんからメール来るよね?」 純「はあ、まあ一応友達その二らしいですから、梓にとっての私は」 唯「二号さんだね」 純「誰ですか、先輩にそんな言葉教えたの。で、それがどーかしたんですか?」 唯「絵文字とか使ってあるよね?」 純「へ?あ、ええまあ、それなりに使ってありますけど……」 唯「やっぱ、そうだよねえ……はあ……」 純「?」 唯「あずにゃんね、私にメールくれるとき、一回も絵文字使ってくれたことないんだ」 純「そうなんですか?」 唯「……これって、あずにゃんは私のこと仲良しって思ってくれてないってことだよね」 純「……は?いやそんなことないとおもいますけど。梓って結構先輩後輩の関係気にする方ですから、その辺りの礼儀の話じゃないですか」 唯「つまり、あずにゃんにとっての私は、まだ先輩って程度なのかな……」 純「というか、唯先輩って意外とそういうの気にするんですね」 唯「恋する乙女は繊細なんだよ。胸が痛むことが増えた気がするよ。だけどその分あずにゃんのこと想ってるって気付くんだよ」 純「さりげなく惚気ないでください」 唯「冬の日Ver.だね」フンス 純「まあ、考えすぎだと思いますけどね。というか、あれで只の先輩としか思ってないよ?と言われても逆に困ります。梓は唯先輩のこと大好きですよ」 唯「そうかなあ……」ムー 純「そうですよ。ちなみに最後に来たメールってどんなのでした?」マアシンパイナイトオモイマスケド 唯「えっとね……あ、ついさっきメール来てたみたい……えっとね」ミセテアゲルヨ 純「あ、見てもいいんですか?えっと……どれどれ」 梓『唯先輩、用事はまだかかりそうですか。一人は寂しいです。美味しいご飯作ってますから、早く帰ってきてくださいね。愛してます、唯先輩』ラヴニャン! 純「……」 唯「ほら見てよ!絵文字ひとつも無いよ!やっぱりあずにゃん……」ホラホラ 純「唯先輩すみません、一発殴らせてください」バクハツシチャウヨ? 確かに絵文字は無いな…… -- (柚愛) 2011-03-03 13 11 59 絵文字は無いな…w -- (名無しさん) 2011-04-13 23 00 50 唯と純は意外に気が合いそうだよな。しかし唯と仲良くなれば、純は二人がかりでのろけ話を聞かされることになるのかw -- (名無しさん) 2011-10-19 22 08 23 なぐりたい気持ちわかる… -- (名無しさん) 2012-08-09 21 39 04 ないけど内容はいいね -- (あずにゃんラブ) 2013-01-10 06 46 00 殴ってぉk -- (名無しさん) 2013-01-24 22 30 13 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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池沼唯SS 連載中作品 池沼唯は、放っておきたい一匹豚 (その2) New! 完結作品 短編 唯「どら〇え!」 世界の終わった後で 池沼追放令 池沼唯の欲しいモノ 池沼唯の出生 憂はいらない子 唯の短い一生 池沼唯のトイレ 中編 失踪 失踪(真相) 失踪(真相 その2) 失踪(真相 その3) 失踪(真相 その4) 大ブブブー事件 (その2) 唯「おたんじょうび!」 (その2) 池沼唯のサイドビジネス (その2) 池沼唯のハロウィン (その2) (その3) (その4) 練り歩く池沼唯 (その2) 4-2=2 一人ぼっち (その2) (その3) 池沼唯を臓器売買 (その2) 長編 セレブの池沼唯 (その2) (その3) (その4) (その5) (その6) (その7) 池沼唯とムギの恋 (その2) (その3) (その4) (その5) (その6) 池沼唯とリベンジ (その2) (その3) (その4) (その5) (その6) (その7) 池沼唯の海水浴 (その2) (その3) (その4) (その5) (その6) (その7) (その8) (その9) (その10) (その11) (その12) (その13) (その14) (その15) (その16) カウンター 今日 - 昨日 -
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「梓ちゃんってホントに軽音部の事好きだよね!いつも話してくれるよ」 「えへへー照れますなぁ」 夕食を取りながら憂と他愛もない話をする。う~ん、ごはんもおいしいし幸せな時間だなあ。 今日の会話にもあずにゃんが登場。二人の共通の友人だし、よく話題に上るんだよね。 可愛くてちっちゃくてちょっぴり頑固でそんでもって可愛くて…私の初めての後輩。 なんだか最近、あずにゃんの事を考えてばかりいる気がする。文化祭が近づいてきて会える時間も減って、あずにゃん分が足りなくなったのかな。 「この前は紬さんが可愛らしい話だったけど、律さんがご飯作ってくれた話とか―」 「そうそう、りっちゃんのご飯美味しかったんだよ~」 「梓ちゃんの先輩自慢に純ちゃんもたじたじになっちゃってさ。皆さん本当にいい先輩なんだね」 「うんうんそうだよね。澪ちゃんはかっこいいし、ムギちゃんは優しいし、りっちゃんは頼りになるし…ハッ」 「どうしたのお姉ちゃん?」 ここまで話を聞いて私はあることに気付いた。 「私、先輩らしい事してない!」 「えっ、そうかな」 そう、後輩のあずにゃんは私にギター教えてくれたりするけど、先輩である私は抱きついたり怒られたり呆れられたり…。 わ、私ってあずにゃんにどう思われてるのかな。さっきの憂の話にも私の自慢話ってなかったような。 「これはまずいよ!」ガタッ 「ひゃあ!びっくりした」 「決めたよ憂。私、先輩らしくなるよ!」フンスッ 「そっか、頑張ってねお姉ちゃん」 先輩らしくなれば、あずにゃんも私の事褒めてくれるかな。私の事好きになってくれるかな…。 私、あずにゃんにもっともっと好かれたい。なんでだかよく分からないけど…まいっか。先輩のお手本は私の周りにいるもんね。 「よーし、やーるぞー!」 「ふふっ頑張るお姉ちゃんも可愛い」 「ごちそうさま。まずはお皿洗いするよ!」 「えっ!?いいのに」 「任せて任せて~」カチャカチャ 「ああっ危なっかしいよ~」 (ふふっお姉ちゃん、梓ちゃんのこと本当に好きなんだろうな。でもそんなことしなくてもいいと思うけどな) (梓ちゃん、凄い分かりやすいんだもん。お姉ちゃんのこと褒めたりはあまりしないけど、1番お姉ちゃんの事…) 「って、私が言うのも野暮だよね」 「ういーなんか言ったー?」 「ううん、何でもないよっ。私も手伝うねお姉ちゃん!」 放課後部室! 今日は文化祭の練習で私以外遅くなっちゃうみたい。だからこれは私が先輩らしく振る舞うチャンスだよ! あずにゃんが来たら先輩らしさを発揮しなきゃ。それまでは木の練習してよう。時間を無駄にはしないよ。 ガチャッ 「こんにちはー。あれ、唯先輩だけ。やっぱり他の先輩たちは劇の練習ですか」 「…」 「唯先輩?…あ、木の練習か。イスにでも座ってよ」 「…はっ!」 しまった。いつの間にかあずにゃんが来ていた! 「や、やっほーあずにゃん」 「ふふっいいんですか、木の練習してなくて」 あうう笑われてるよ。これは不覚だよマイナスポイントだよ…。 「ううん大丈夫。それより練習する?お茶にする?そ・れ・と・も…」 「えっ唯先輩練習するんですか?」 「舐めてもらっては困るよ。私だってやる時はやるのです!」フンスッ 「そうですか。それじゃあ練習しましょう。今用意しますね!」 うーんあずにゃん嬉しそう。やっぱり練習が好きなんだなぁ。 「それじゃごはんはおかずのイントロから行きましょうか」 澪ちゃんみたいに真面目だったら、もっと尊敬されてたかなぁ。 「って唯先輩、聞いてます?」 「あ、うん。よーしじゃんじゃん行くよ!」 「は、はい!」 そう、今日の私は今までとは違うよ!先輩らしくどんどんあずにゃんを引っ張って行っちゃうんだから! 「…でここがこうなるわけです」 「ほほう」 「でサビの所はこうしたほうが」 「ふむふむ」 あずにゃんのほうが上手だからこれはしょうがないんだよ! ジャカジャカジャン 「フンッ…よっ…」 「…」 ジャカジャ …ジャ… 「あ、あれっ?」 「大丈夫ですか?」 「う、うん」 ジャカ…ジャ 「うう…力が入らなくなってきた…」プシュー 「けっこう頑張りましたし、休憩しましょうか」 「そーだn…」 ってまずいまずい。先輩が先に音を上げるわけにはいかないよ。 「まだいけるよっ!先輩だからね」 「は、はぁ」 「えいやー!」 「…そんなに無理しなくても」 「すいません…」シュン だけど私の体力はもう底をついていて、無理に頑張ろうとしてめちゃくちゃな演奏になってしまった。 合わせてくれたあずにゃんに悪いことしちゃったな。はぁ。 「とりあえず休憩にしましょう。私もちょっと疲れちゃいました」 「…そうだ!」 そうだった。練習頑張るだけが先輩じゃないよ!今度はムギちゃんの代わりをしよう。 「私がお茶入れるよ!ムギちゃんからお菓子も預かってるし、先に食べてていいって!」 「ええっ唯先輩が!?大丈夫なんですか」 「ここは先輩にまかせてまかせて~。あずにゃんは先に座ってるがいいさ」 「はぁ。いきなり元気になっちゃって…まあ唯先輩らしいか」クスッ 「えっと、紅茶はこれを使えばいいんだよね。でもって…」カチャカチャ 「うーん、でも心配だなぁ」ソワソワ なかなかいい調子。えっとお湯沸かしたから、あとは熱湯を注いで三分待つ。あれこれってカップラーメンだっけ?えーと 「うわっ!?」ガシャン 「!!だ、大丈夫ですか!?」 「あっつーい!」 「唯先輩!!」 「…」 「もう、軽い火傷でよかったです」 「…うん…」 「じゃあちょっと待っててくださいね」 やかんを倒して指を火傷してしまった私は、保健室で手当てをしてもらい、いまは部室で座らされている。 あずにゃんは代わりにお茶の用意をしてくれている。私がやると危ないって。あずにゃんが。 私って駄目な先輩だな。改めて思い知ったよ。頑張るって言って迷惑ばかり。 澪ちゃんやムギちゃんのようになんてとても出来なかったし。りっちゃんみたいに頼りにならないし。 あずにゃんに、嫌われちゃうよ…。 「用意できましたよ。唯先輩?」 「…うぅ…ぐすっ…」ポロポロ 「どうしたんですか!?まだ、火傷痛いですか!?」 「ふぇ…うぇぇん…ごめんね…あずにゃん…ぐすっ」 「えっちょ、唯先輩?」 「私…全然先輩らしくないし…えぐっ…迷惑掛けるし…ひっく…」 「…なに言ってるんですか。ちょっと落ち着いてください。ほら鼻でてますよ」 「…うん」チーン そういってあずにゃんは落ち着くまで背中をなでてくれた。 「先輩らしい所を?なんですかそれ」 「先輩らしくなれば、あずにゃんが、もっと…」 「もっと?」 「す…好きになってくれるかなって」 「な///」 「だって!だって私普段からあずにゃんに呆れられてるし、ほかのみんなと違って憂達に自慢されないし…」 「…」 「だから先輩らしくなればって思って。だけど全然ダメで…」 「…もう。今日はなんか変だなって思ったら、そんなことでしたか」 「そんなことって…」 「そんなことしなくても、唯先輩は唯先輩のままでいいですよ」 「ふぇ?」 「だから、唯先輩らしくしてください」 「私らしく…」 「そうですよ。そうじゃないと嫌です。先輩の唯先輩じゃなくて、唯先輩って人が私はすk…」 「す?」 「す、推奨します!」 「…あずにゃん!」ギューッ あずにゃんはくるっと後ろを向いちゃったけど、私は背中から思いっきり抱きついた。 「もう…今日やっと抱きついてくれましたね」ボソッ 「ほぇ?」 「なんでもないです。それに私には、唯先輩もいい先輩なんですからね」 ほっぺたがくっつくくらいの距離で、私はあずにゃんの話を聞く。 囁くくらいの小さな声が、二人だけの部室に響く。 「例えば…皆さんと行く合宿、とっても楽しかったです」 「うん、そうだね」 「だけど私にとってみれば、他の皆さんは年上なわけで」 「もちろん皆さん優しいし、全然構わないんですが、やっぱりどこか気を遣っちゃいそうで」 「でも唯先輩は、私と同じ目線でいてくれました」 「唯先輩がいてくれたから、私は何も気にせず楽しめたんです」 「…そっか。全然気が付かなかったよ」 「それに、唯先輩は無意識にちゃんと先輩をしてくれていますよ」 「無意識に?」 「はい。ちょっとした気遣いや私を思ってくれての事が、数え切れないほどあります」 そう言うとあずにゃんは、あずにゃんを抱きしめる私の腕をそっと握った。 「その度に私は嬉しくて、心が温まって、そんな唯先輩の事をもっともっとすk…」 「す?」 「…」 あずにゃんが俯き、静かになった教室。気が付けば日はだいぶ傾いていて、窓から夕日が差し込んでいた。 すると急にあずにゃんが体をくるっと回し、私と向き合う形になった。 腕はまだあずにゃんの体に巻き付けたままなので、距離が凄く近い。そしてじっと見つめあう。 いつものあずにゃんなら恥ずかしがる所なのに、なんだかおかし― 「好きです」 ………へ?今、なんと? 「好きです。私、唯先輩の事好きです。大好きです」 最初はちょっと信じられなかった。でも確かにそう言った。 私の目の前の、可愛くてちっちゃくてちょっぴり頑固でそんでもって可愛くて…私の大好きな人が。 なんだろう。心が満たされていくってこういうことなのかな。ただ私は、目の前の女の子が、愛しくて愛しくてしょうがなかった。 こんな気持ち初めてで、だけどすぐに分かった。私は、この娘のことが…。 「…私もね。私も、大好きだよ。あずにゃんの事、大好き」 言葉にした瞬間、自然と涙が零れ落ちる。あずにゃんの目にも、同じものが光っていた。 私はあずにゃんを思いっきり抱きしめた。私の好きを全部伝えるため。 あずにゃんも負けじと抱きしめてくれた。ただただ抱きしめあった。 暫くして、あずにゃんが体を離しながら言う。 「…前にも言いましたけど、私、唯先輩とだけは先輩後輩の関係を強調して欲しくはありませんでした」 「前って、もしかして川原で?」 「そうです。唯先輩がへんなユニット名言い出すから」 「ごめんごめん。でも、なんで?」 「だって先輩と…先輩後輩なんかよりもっと特別な関係になりたかったから…」 「あずにゃん…結構恥ずかしい事言うね」 「だ、だって唯先輩が///」 「えへへ、でもなれたね、特別な関係」 「…はい」 「あずにゃーん好きーっ」ギューッ 「もう、唯先輩。それじゃあ今までと変わらないじゃないですか」 「だって好きなんだもん」 「…そういえば特別な人同士は、愛を伝えるとっておきの手段があるみたいですけど、ゆ、唯先輩は分かります!?」 「え、それって…」 「せ、先輩ですから、分かりますよね。先輩ですもん///」 顔を真っ赤にして、眼は合わせないようにキョロキョロさせて、なんていうか可愛い。 それに、そのくらい私解っちゃうよ。だって私 「…先輩だもん。今日1番先輩らしい所見せてあげる」 「あ…」 そういって私はあずにゃんの頬に手を添える。 あずにゃんと顔を見つめると、彼女はそっと目を閉じた。 「好きだよ、梓」 「はい…」 次の瞬間、私たちの距離はゼロになった。 「カットー!」 「ふいー疲れた」 「うう本番まであと少しか…」 「りっちゃんに澪ちゃんも凄く良くなってきたわ!」 「ありがとさん!ところでムギ」 「なあに?」 「髪の毛が一か所ピーンってなってるけど、それ寝癖か?」 「あ、これはね。乙女電波アンテナなの」 「…ふ、ふーん」 おしまい! 二人とも可愛い~ -- (鯖猫) 2012-08-31 17 02 31 ほっこりするね。所々の小ネタもなんか嬉しい -- (名無しさん) 2012-09-06 02 12 17 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る
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「あずにゃん誕生日おめでとー!」 梓「みなさん、ありがとうございます」 今日は私の誕生日ということで先輩たちが私の家で誕生日会を開いてくれた。 ちなみに今日の練習はそのためキャンセルされたけど、誕生日ぐらいは休んでもいいかな 紬「さあ梓ちゃん、ケーキ持ってきたわよ~」 律「今日のムギのケーキ、すっごく高いんだってよ!」 紬「そんなことないわ。ただちょっと行列のできるお店から取り寄せただけで」 澪「ケーキを取り寄せただけでもすごいだろ…」 梓「あはは…」 唯「それじゃあローソク刺そうか!あずにゃん!」 やっぱり誕生日って祝ってもらえるから嬉しいな。 唯「よし、それじゃあムギちゃん電気消して~」 紬「了解だわ!」 電気が消えると部屋の中はロウソクの火の明かりだけになった。 唯「それじゃあ…せーの!」 「はっぴば~すで~あ~ずさ~…はっぴば~すで~でぃああ~ずさ~…はっぴば~すで~とぅ~ゆぅ~」 唯「あずにゃん17歳おめでとう!」 梓「ありがとうございます」 律「ささ、早くロウソク消そうぜ!」 梓「はいっ…ふぅ~」 「おめでと~!」 梓「えへへ…」 こうして私の誕生会は幕を閉じた。 途中で唯先輩が喉にケーキを詰まらすというアクシデントもあったけど、無事終わった。 梓「みなさん、今日は本当にありがとうございました。」 澪「良かったな、梓」 律「年齢が一つ上がったからって調子に乗るなよ~?」 梓「来年も開きましょう?今度はもっとすごいケーキ用意するわ」 唯「あずにゃんこれからもよろしくね~」 梓「はい!さようなら~」 誕生会が終わったらまた私は一人になる。 今日も母さんと父さんは公演の練習で忙しいので帰りが遅くなるらしい。 楽しい時間ってあっという間だな… ぴんぽ~ん 私がリビングに戻ろうとすると玄関のチャイムが鳴った。 あれ、誰だろう? 梓「は~い」 唯「あずにゃん」 梓「唯先輩?どうしたんですか一人で。何か忘れ物ですか?」 ふと見ると、唯先輩はバッグから何かを取り出そうとしていた。 唯「みんなには忘れ物したって言ってきたんだけどね……実はこれを渡そうと思って」 梓「マフラー?」 唯「えへへ…私からの誕生日プレゼントだよ、あずにゃん」 それは暖かそうな毛糸のマフラーだった。でも市販のとはちょっと違うような… 梓「いいんですか?…あ、ありがとうございます」 唯「私が編んだマフラーだよ。大切にしてね」 梓「唯先輩が編んだんですか!?憂じゃなくて!?」 唯「も~だからそう言ったでしょ?憂の手を借りたんじゃなくて、私一人で頑張っただよえっへん!」 唯先輩のお手製…私の為に、唯先輩が? 梓「…ありがとうございます。こういうの貰ったことないので…ちょっと嬉しいかも、です」 唯「良かった~喜んでもらえて。…ねぇ、巻いてみて」 梓「っと……こうですか」 唯「ん~っ!やっぱりあずにゃんに似合うよ~!可愛い!」 私がマフラーを首に巻いて再び唯先輩の方を見ると、先輩は私に抱きついてきた。 梓「にゃあ!また抱きつきですか!?」 唯「えへへ~だってマフラーが似合って可愛いんだも~ん」 梓「もう…」 唯「あれ?あずにゃんいつも『やめてくださいよ!』とか言うのに今日は言わないね」 梓「…だって…唯先輩が私の為に作ってきてくれたんですから…だから今日ぐらいは許してあげます」 私は唯先輩の顔の横で喋る。だから唯先輩の声も耳元で聞こえてちょっとくすぐったい。 唯「……ありがと。あずにゃん」 梓「…はい」 唯「ねぇ、あずにゃん。私と一緒にいると楽しい?」 いきなり変な質問をされたのでちょっとびっくりしたけど、動揺してるのが知られたら嫌だと思って私は答えた。 梓「…そりゃあ…退屈はしませんね」 唯「それって楽しいってことで良いの?」 なんだか変な唯先輩だ。いつもと様子が違うっていうか…恥ずかしがってる? 梓「…まぁ…そうなりますね」 唯「そっか………ねぇもう一つ質問、いい?」 梓「なんですか?」 唯「えっと……私の……事……なんだけど……」 急に唯先輩の声の調子が変わった。いつもの軽い調子じゃなくて、心に直接訴えかけてくるような調子で。 梓「唯…先輩?」 その沈黙の間は数分にも感じられた。 私に抱きついている力の強さもほんの少し強まった気がする。 ついに、その沈黙が破られたかと思うと… 唯「…やっぱなんでもない!じゃあね~あずにゃんまた明日!」 梓「えっ…あ……はい…さようなら…」 さっきの、なんだったんだろう… 次の日の朝、登校中。 唯「あ~ずにゃん!」 梓「わぁ!唯先輩!びっくりさせないでくださいよ…って、そのマフラー……昨日私がもらったのと一緒じゃないですか?」 唯「あ、気づいた~?あれは2個作ったんだ。私とあずにゃんはお揃いだよ~♪」 梓「えぇ~!」 名前 感想/コメント: すべてのコメントを見る